2017年10月10日に、クラウドファンディングサイト“Kickstarter(キックスターター)”にて発表された、ヤシカの新しいカメラ「YASHICA Y35」。
発表日に面白そうだなと思ったので、出資したのですが、ようやく、やっとこさ手元に商品が届きました。
長かったー
「YASHICA Y35」が正式に発送し始めたのは2018年9月頃。
“私のが届かない!けどどうなってるの?”
“届いたけど粗悪品だ!金返せ!”
など、どちらかというと悪い評判がほとんど。
クラウドファンディングなので、商品が届くだけでもましなのかもしれませんが、私も商品が届くまではちょっとどうなんだろーなーとあまり期待せず待ってました。
(デジカメinfoでも酷評記事がアップされてたし)
最近、各メーカーが最新の技術をこれでもかと詰め込んだカメラを発表していた最中だったのでタイミング的なものも悪かったかも。
さて、商品が届いて、私は実際にどう思ったのかというと……、確かに残念な点の多いカメラなのは否めません。
ただ、昔トイカメラが流行った時、HOLGAにオプション全部買って合計2万以上いったことや、LOMO LC-Aが入手困難な時、ロシアから高額で購入したり散財したことがあるので、また変わったカメラを手にしたなーという感じ。
(LOMO LC-Aは本当に良いカメラでお世話になりました)
たぶん、当初の発送予定である2018年3月を半年近く伸ばされたことで、良い意味でも悪い意味でも期待値が上がってしまったのもあるかもしれません。
「YASHICA Y35」が発表された時は、カメラボディは「YASHICA Electro 35」のボディデザインを忠実に再現的なことがかいてあったので、金属ボディを想像していたこともあり、プラなのはかなり拍子抜けしましたが。
開封
何はともあれ、開封。
私は後から追加で発表されたdigifilmを追加購入した為か、他の方より発送がかなり遅くなりました。
最速レビューは達成ならず……でしたが、まぁいつも通りレビューしていきたいと思います。
内容物はこんな感じ。
・Yashica digifilm Y35 本体
・digifilm × 6
・USBケーブル
・説明書
・ポストカード
digifilmを後から2本追加購入したのですが、とりあえず、欠品してるなどのトラブルが無かったので一安心です。
外観
本体外観はこんな感じになります。
他の方がみな言ってるように、ガッツリ“プラ感”が出ていて、チープさは否めないですね。
住宅展示場などに、モックとして置かれているカメラを想像するとベストだと思います。
本体上部に「20171010」と書かれているのですが、これは商品が発表された日ですね。
本当に1年越しに手にしたんだな~と。
色々なギミックが潜んでそうですが、ほぼダミーです。
期待はしてはいけないデザインです。
三脚は光軸から少しズレているのが気になるところ。
レンズはF2.0の明るいレンズになります。
ここにも「20171010」と書かれています。(ここまで主張することかな?と思いますが、まぁデザインとして入れたかったのかな)
ちなみに、フィルターの取り付けは出来ない仕様になっています。
使い方
先ず裏蓋を空けて、単三電池とdigifilmをセットします。ちなみに、digifilmをセットした感じはサクッといった感じで、ユルユルではありません。
底面にSDを入れる場所があり、ここの蓋の作りが本当に柔いです。壊れるとしたら一番最初にここが壊れそう。
同じ場所にUSB端子があります。
SDをセットしたら準備完了です。
シャッター下のレバーが電源ON/OFFになります。
電源を入れると、背面のLEDランプが光るのでそこで電源が点いているか確認します。
フィルムの巻取りレバーを模した箇所を回すことでシャッターを切ることが出来ます。
露出補正もありますが、撮った画像をすぐに確認できないので、慣れが必要ですね。
シャッターは結構しっかりしていて、ボディの軽さから結構ブレちゃうのでは?と心配になります。
この辺は個体差があるかも。
仕様
一応スペックは下のようになります。
センサー | 1/2.5inch CMOSセンサー |
有効画素数 | 約1400万画素 |
ファインダー | 光学ファインダー |
F値(固定) | 2.0 |
焦点距離(35mm判換算) | 35mm |
最短撮影距離 | 1.5m |
シャッタースピード(AUTO) | 1秒、1/30秒、1/60秒、1/250秒、1/500秒 |
露出補正 | 5段階 |
撮影フォーマット | JPEG(4:3) |
記録メディア | SDカード |
バッテリー | 単三電池 × 2本 |
フィルター径 | 37mm |
本体サイズ(レンズ含む) | 約111.5 (w) x 72.11 (h) x 55.84 (d) mm |
重量(電池込) | 約242g |
iPhoneX が 1/3inchセンサー、1200万画素となるので、それよりも少し小さいセンサーサイズでちょっと高画質といった性能です。
ただ、iPhoneXなみに綺麗に撮れるとは思えないのはなぜでしょうね。勿論、そういった期待をするカメラではありませんが。
絞りは2.0とそこそこ明るいレンズです。
Kickstarter(キックスターター)で発表された時点ではF2.8でしたが、希望額よりを大幅に超えたことによりF2.0に変更となりました。
焦点距離は6mmで、35mm判換算で35mmということみたいです。
シャッタースピードはKickstarter(キックスターター)上にて、“1秒、1/30秒、1/60秒、1/250秒、1/500秒”と書かれていましたが、Exifデータを見るとかなり細かいシャッタースピードが出ていたので、5段階ではないのかもしれません。
重さは242gとiPhoneXよりも若干重いといった具合。
本体サイズを考えると、軽いデジカメだな~といった印象です。
なので、しっかり構えないとシャッターの反動で手振れしそう。
撮影してみた
メーカーページに行けばしっかりとした仕様や作例が見れる、といったカメラでもないので、手にした人の作例がほぼ全てになってくるであろうこのカメラ。
今後、一般販売がされるかはわかりませんが、購入検討の手助けとなれば幸いと作例を投下しておきます。
絞りはF2.0固定、シャッタースピードはAUTO、ISO感度はdigiFilmによって固定されています。
フォーマットはJPEGのみで、4416ピクセル x 3312ピクセル(4:3)、解像度180px。サイズは3MB~7MBくらいまで撮影環境で大きく異なります。
Exifデータが残っていたのには少し驚きました。
シャッターは少し癖があり、シャッタ―ボタンを軽く押すと“カチーン”と機械音がするのですが、更に強く押し込むと“カシャッ!”っと控えめな電子音が聞こえます。この“カシャッ”がシャッター音になり、この音が聞こえないとシャッターが切れたことになりません。
最初、“カチーン”という音がシャッター音だと思って、シャッターを切りまくっていましたが、自宅に帰ってPCで確認すると一枚も撮れてなかったという残念な結果になりました。
ISO200 Ultra Fine | ISO200 ウルトラファイン
Sharp image.Standard color balance.
(意訳:ISO200できめ細やかさと、スタンダードな味わい)
一枚目はお使いのモニターの汚れではなく、カメラのレンズの汚れですね。
可もなく不可もなくといった感じですかね。
ISO1600 High Speed | ISO1600 ハイスピード
High contrast. Grainiest photography.Capture true color even in low light condition.For shooting fast-moving objects.
(意訳:暗くてもいけるぜ!動体でもシャッター速度早めて対応するぜ!)
ISO1600と言えど、センサーサイズが小さいので、夜間撮影時は手振れしますね。
日中撮影時はNatura的なハイキーな写りを期待しましたが、淡い期待でした。ISO200に比べると、ISO1600だけあり、若干粒子が荒い感じを受けます。
YASHICA blue(ISO100) | ヤシカブルー
It’s deep, letting your thought flow around. Silent with some noise but natural. Touch your heart of the utmost deepness.Blue, just as it should be.
(意訳:青、青、青。とことん青です。)
正直、一番気になっていたdigifilmだったのですが、予想とは違った色合いで残念な印象。
ガッツリ青に振り切ってほしかったところ。
ちょっと簡易フィルターを使って撮影しました感があり、トイデジ感出まくりのチープさがあります。
in my fancy(ISO100) | インマイファンシー
It’s intimate, letting your memorable moment stay still. A bit raw but warm. Capture your memory of the utmost preciousness.Your story, always in my fancy.
(意訳:最高の記憶を写真で表現するとこんな感じ?)
嫌いではないのですが、もう少し暖色抑え目でも良かったかな?という印象です。
でも上手くレトロな印象を表現しているかな~と好きな風合いではあります。
Black & White(ISO100) | ブラック & ホワイト
Film grain effect.High Contrast.Retro photography style.
(意訳:粒子細かなモノクロで、フィルムっぽいレトロ感演出しまっせ)
ブラック&ホワイトと言ってますが、少々青っぽい印象を受けます。
独特なモノクロカラーという感じでこちらもレトロな感じが悪くはない印象です。
陰影を上手く捉えればそこそこ見れる写真になりそう。
120 Format (6×6)(ISO100) | 120フォーマット (6×6)
Square format photographs.Fits for instagram.
(意訳:あらやだ、真四角撮れるからインスタにフィットしちゃうわ)
「ISO200 Ultra Fine」をスクエアにしました……という感じなら良かったのですが、なぜか黄色よりの加工がされています。
使いどころが難しいdigifilmですね。
撮影してみてわかったこと
先ほども書きましたが、撮影画像にはExifデータが記録されています。
このデータが正確なのかどうなのかはわかりませんが、色々おかしな点があります。
ISO感度について
「ISO1600 High Speed」では日中撮影時はISO300、夜間撮影時はISO600が使用されています。
ん?……ISO1600は??
撮影はフルオートなので、こちらで細かな設定はできません。
マイクロフォーサーズで同じ場所でオート撮影するとなると確実にISO1600以上使わざるをえない場所でもISO600なのはおかしい話ですね。
ちなみに「ISO200 Ultra Fine」では、常時ISO100が使用されていました。
つまり、「ISO200 Ultra Fine」「ISO1600 High Speed」は、名称としてのISOであり、実際に使用されるISO感度は違うということかもしれませんね。
シャッタースピードについて
今回撮影した画像のExifデータを見たところ、
1s、1/31s、1/71s、1/283s、1/327s、1/567s、1/983s、1/1282s、1/1638s、1/2681s、1/3277s、1/5900s
が使用されていました。
当初予定されていた「1秒、1/30秒、1/60秒、1/250秒、1/500秒」よりも細かい設定が出来るんだなと思います。
ただ、撮影時に自身で設定は出来ないので、日中撮影時で明るい場所なのになぜか“1s”が使用されていることもありました。
謎ですね。
歪みがひどい
レンズのせいか、シャッタースピードのせいか、わかりませんが、時空が歪んだ写真になりやすいですね。
建物もこんにゃくのように曲がっていたり、結構ヒドイです。
後は自分では水平を保って撮影しているつもりでしたが、シャッターを切る際の重みが効いてるのか、ほぼ斜めになってしまいました。
ボディが結構軽いのに対し、シャッタ-はしっかりとしているので、手振れも気を付けないとですね。
最短撮影距離は1.5mはネック
作例での手を撮影したときは20cmくらいで撮影したのですが、やはりピントが合いませんでした。
目測ですが、1m以上離れるとピントが合ってくる気がします。
接写が出来ないのは仕方ないですが、最短撮影距離1.5mというのはやはり扱いにくいですね。
感想
今回、プロジェクト開始から24時間限定のプレッジ(digiFilm 4本)で、35%OFFで購入で購入しました。
出資額はUSD150ドル(HKD1,268ドル)だったので、日本円にして約1万8千円といった感じです。
ここに、後から追加されたdigiFilm2本を追加購入(1本約2,500円)したので、合計で約2万3千円くらい払ったことになります。(送料込み)
もし実売されるとなると、digiFilmが全部付いて約3万円弱といった感じなのでしょうか?
この金額が高いかどうか……。
実際に使用してみた感想としては……、正直、この金額出すのならフィルムカメラを購入した方が幸せですね。
でも、digiFilmをフィルムのように入れ替えて撮影するといった仕様は、素直に面白いです。
写真を学ぶというより、楽しむことに特化した道具であり、ファッション的な要素が強いかもしれません。
それだけに、ハマる人にはハマるカメラだと思います。
もっと高級感ある作りだったら、かなり売れるのでは?と。それでもニッチな需要になるとは思いますけどね。
超変化球として持っておいても良いかもしれません。
とは言え、超変化球な写りはしませんので悪しからず。
もしフィルムっぽい写りを望んでこれを購入するのであれば、素直にフィルムカメラを購入しましょう。笑
フィルムっぽい写りをデジタルカメラで撮りたいのなら…
“デジタルカメラでフィルムカメラっぽい写りを再現したい”
こういう悩みや希望を持っている方、たくさんいると思います。
フィルムカメラにも種類があって、写ルンですのような簡易的なものから、レンズ交換式の一眼レフなど。
フィルムっぽい加工が出来るとしてRAW現像用プリセットのVSCOなどの使用が人気ですが、私が一番お勧めするのは、
SONY α7S + Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4 S.C.(35mmでもOK)※
※マウントアダプター必須
という組み合わせになります。
SONY α7Sはフルサイズセンサーで約1200万画素、つまり35mmフィルムと同等のサイズの露光面積を持ちながら解像度は高過ぎず低すぎないスペックになります。
このボディにアナログレンズを取り付けることで、撮って出しでもフィルムLikeな写真に近くなるわけです。
勿論、VSCOだけでなく、RAW現像でフィルムっぽい加工をすることは可能ですが、私個人、なるべく面倒でない方法を取りたい、面倒でない方法で撮りたいので、この組み合わせがとても好きなんです。
この組み合わせを好んでいる方は結構多いので気になった方は、是非、色々な方のブログをチェックしてみて下さい。
↓私もその中の一人です。
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